引き続き、バラバラに製作してきた棕櫚本鬼毛の玉(束)を【棕櫚箒】本鬼毛7玉長柄箒の形に組み立てる「箒を合わせる」工程。意匠は麻糸巻(リネン色)、持ち手はヒノキ。
長柄箒中央の玉になる、ヒノキ柄を付けた「柄付けの玉(えづけのたま)」をこしらえ、 玉を順番にコウガイ(孟宗竹から削り出した太い竹串)に叩き通して麻糸や銅線で固定します。
各玉の足巻き(あしまき)の端とヒノキ柄の接合部になるべく隙間が出来ないように注意しながら銅線で力いっぱい固定。
最後に麻糸・銅線・棕櫚皮で持ち手の柄と棕櫚の境界部分「柄付け(えづけ)の意匠」をこしらえ、銅鋲や真鍮釘を打ち、両端の余分なコウガイ(太い竹串) を切断。 仕上げ工程へ。
「柄付けの意匠」は銅線と糸や棕櫚皮を組み合わせて、棕櫚鬼毛の切断面・小口や竹のクサビが見えないように覆い美しく丈夫に仕上げるものです。
昔から様々な意匠があり各箒店・各職人ごとに固有の意匠で仕上げていたそうで、ここを見れば一目でどこで作られた棕櫚箒か分かるので銘の代わりでもあり、品質保証の役割もありました。柄付けの意匠は手間のかかる工程でもありますので、特別な品質の棕櫚箒以外には施されなかったようです。 私の柄付けの意匠は、師匠の箒店で使っている意匠にひとすじ銅線巻を増やしたものです。