棕櫚の木の撞木(しゅもく)-平等院
棕櫚の木の撞木(しゅもく)-平等院

久しぶりに棕櫚で出来ている物をご紹介します。棕櫚皮を剥いた棕櫚の木の幹で出来ている、お寺の鐘突き棒「撞木(しゅもく)」です。2017年のブログ記事にも和歌山県橋本市にある撞木をご紹介しましたが、今日は京都府宇治市・平等院の梵鐘の撞木です。

棕櫚の木の撞木(しゅもく)-平等院
棕櫚の木の撞木(しゅもく)-平等院

今日は広島原爆の日。平和を祈る鐘の音を聴いていたら、まだご紹介していない棕櫚の撞木の写真があったことを思い出しました。棕櫚の木の幹には年輪がなくて、真っ直ぐな繊維が集まったような構造をしていて、適度に重く柔らかく、よく通る綺麗な音が鳴るので昔から撞木に使われているそうです。
現在、私は縁あって和歌山県在住ですが、生まれも育ちも広島市です。子どもの頃から8月6日は原爆で亡くなった方々を静かに悼む日です。私の祖父母も広島原爆で被ばくしています。身内に被ばく者がいる人は広島には大勢います。長崎でもそうだと思います。

棕櫚の木の撞木(しゅもく)-平等院
棕櫚の木の撞木(しゅもく)-平等院

実家のあたりと爆心地は直線距離で6~7km程離れており、爆発の光と爆風に驚いて子ども(叔母)を抱いて防空壕に走った話、その数時間後には市内から歩いて逃げてきた大勢の負傷者が学校の講堂に入りきらない程だった事、地域の婦人部総出で看護にあたったが当時は物がなくて医療用具もガーゼも包帯も不足していて手の施しようがなかった事、その負傷者のほとんどがひどいやけどや大怪我を負っており間もなく亡くなった事など、少しだけですが当時の事を祖母から伝え聞いています。

棕櫚の木の撞木(しゅもく)-平等院
棕櫚の木の撞木(しゅもく)-平等院
製作風景-【棕櫚箒】本鬼毛長柄箒
製作風景-【棕櫚箒】本鬼毛長柄箒

今日も引き続き【棕櫚箒】本鬼毛7玉長柄箒の製作。