鬼毛箒の修理
鬼毛箒の修理

鬼毛箒(他社製)の修理をしました。棕櫚鬼毛9玉長柄箒(タイシ箒)の竹柄が虫食いのため折れてしまったとのことで、竹柄の差し替えができないかとのご相談でした。竹柄の差し替えの場合は、単に竹柄を付け替えるだけでは修理としては不十分です。棕櫚箒の玉(束)を竹柄から分解した時点で、玉を縛っている銅線が緩んでしまうので、そのまま再度組み立ててしまうと箒に緩みやゆがみができ、今度は棕櫚繊維が抜け落ちやすくなり、やがて箒がバラバラに壊れてしまう可能性が高くなります。
完全分解して新しい銅線で固く縛りなおした玉(束)を組み合わせて修理をしていきます(画像1枚目は、銅線をほどいて玉を完全分解したところ)。

鬼毛箒の修理
鬼毛箒の修理

今回の竹柄差し替えの修繕も、全体の緩みや傷みの修繕・洗浄などメンテナンスをして、新品同様とまではいきませんが、さらに長くご愛用いただけるように完全分解修理をさせていただきました。
他社製の棕櫚箒は、師匠から受け継いだ製法とは作りや素材の使い方が異なるため、色々と注意が必要です。
修理の際は可能な限り、その棕櫚箒を製作された職人さんがこしらえた元々の意匠を尊重し再現するように努めます。破損がひどく元々の姿が分からない場合は、色々な棕櫚箒の資料を元に推測して修繕する場合もありますし、元々の作りや棕櫚素材が弱いと判断した場合は、見た目にはなるべく分からないように、より強い棕櫚材や構造に作り替える場合もあります。

製作風景-【準備】コウガイ削り
製作風景-【準備】コウガイ削り

今日は修理途中で、竹柄に通すコウガイ(竹串)が足りないことに気付き、コウガイ削りもしました。