棕櫚箒作りをする作業台。修業中ずっと使っていた作業台の寸法を測って自分で作ったものです。
材質は欅(ケヤキ)で、一部に鉄を取り付けています(欅でなくても硬い木材ならよいです)。
中央の白い紐は「引き紐」とよんでいて、固定した鉄パイプに縛った紐です。銅線や麻糸で縛る直前の、仮締めに使います。今は化繊の丈夫な紐ですが、昔は麻紐やトワインを使っていて、それらはすぐに駄目になって切れるので一日に何度も紐を付け替えながら箒を作っていたそうです。
引き紐に結んである木片の材質は柘植(ツゲ)で、師匠から「引き紐用に」と譲り受けたのを削って作ったものです。なぜ柘植を使うのか尋ねましたら、引き紐は体重をかけて全力で1日に何度も引くので、手当たりのよい材でないと手や体に負担がかかるとのこと。
引き紐とハサミの間の穴は、台を貫通して開いています。
ハサミは植木鋏を使います。
引き続き、本鬼毛9玉長柄箒の玉(束)作り。外はまだ雪。
- 棕櫚箒-本鬼毛9玉長柄箒の玉作り
- 本鬼毛小箒の仕上げ工程-箒を磨く