春の日差しを感じながら、本鬼毛箒と鬼毛(タイシ)箒用の原料の棕櫚繊維(タイシ)の「毛ごしらえ」。毛ごしらえして濡れた棕櫚繊維を並べ終えてから、箒作りに取り掛かります。短時間で乾かしたいので、風通しの良い場所で天日干し。画像1枚目に写っているのは棕櫚裁断用の刃物「パン切り」です。刃に付けたワイヤーを足で踏んで裁断します。弟子の頃に、当時すでに高齢だった町内の野鍛冶屋さんに作っていただいた、昔からある道具です。
この時期の工房周辺は彼岸桜、木蓮、こぶし、土佐水木、水仙、雪柳、すみれ、草花色々など次々開花して綺麗です。残念ながら今のところ工房の窓からはこれらの春の花がほとんど見えないので、通年している毛ごしらえ作業の中でも、花を見られるこの時期の毛ごしらえは毎年の楽しみになっています。