これは「パン切り」とよんでいる、棕櫚を裁断するための刃物です。町内の野鍛冶屋さんが作ったもので、10年近く前に熊手と一緒に譲っていただきました。棕櫚束はとても硬いので、「パン切り」を使い足で踏んで切断します。本来「パン切り」は棕櫚タワシの製造工程で使う刃物だそうですが、棕櫚箒作りにも使われます。棕櫚関連の仕事同士で同じ道具が流用されていることはよくあります。名前の由来は、タワシ作りの工程では切る時に音が「パン、パン」というので「パン切り」というのだと聞いたのですが、真偽の程は不明です。「パン切り」での裁断は、鬼毛箒の原料の棕櫚繊維(タイシ)の毛ごしらえ(下準備)の一工程です。
- 今後は本鬼毛箒・皮箒に加えて「鬼毛箒(タイシ箒)」の製作も承ります
- 本鬼毛箒の玉を作る