製作風景-【棕櫚箒】皮荒神箒3玉布袋竹柄
仕上げ乾燥中-【棕櫚箒】皮荒神箒3玉布袋竹柄

昨日に引き続き、布袋竹を柄(持ち手)に使った棕櫚皮荒神箒・小箒の製作。布袋竹に合わせて、リネン色の麻糸、銅線、真鍮線を使用。

製作風景-【棕櫚箒】皮荒神箒5玉布袋竹柄
製作風景-【棕櫚箒】皮荒神箒5玉布袋竹柄

私は通常、極端に曲がった柄材は棕櫚箒には使わないのですが、今回仕入れた布袋竹のうち数本は、自然な曲がり具合がちょうど手にフィットしそうだったため、敢えて曲がり矯正はせず持ちやすい所で切断し、5玉のトサカ型の柄にしてみました。銅線巻と真鍮線巻の2種を製作。

製作風景-【棕櫚箒】皮荒神箒5玉布袋竹柄
製作風景-【棕櫚箒】皮荒神箒5玉布袋竹柄

私が極端に曲がった柄を使わないのは師匠の教えです。師匠は「我々は実用の棕櫚箒しか作らないし、それ以外には興味もない。見た目を棕櫚箒に似せただけの商品では、目新しさでお客さんは一度は買ってくれるかもしれないが、掃きにくい壊れやすい箒では役に立たないから、結局たいして使われずに捨てられる。信用してせっかく買ってくれたお客さんはがっかりして、二度と買ってくれなくなる。そんな商品は飾り物の一種であって棕櫚箒ではない」という強い信念で製作していました。個性的な曲がった柄材は見た目はユニークかもしれないけれど、壊れやすかったりバランスの悪い掃きにくい箒になってしまう可能性が高いので、余程の事情がない限りこれからも使いません。

製作風景-【棕櫚箒】皮荒神箒5玉布袋竹柄
製作風景-【棕櫚箒】皮荒神箒5玉布袋竹柄
製作風景-【棕櫚箒】左:真鍮線巻、右:銅線巻
製作風景-【棕櫚箒】左:真鍮線巻、右:銅線巻
製作風景-【棕櫚箒】左:真鍮線巻、右:銅線巻、布袋竹柄
仕上げ乾燥後-【棕櫚箒】左:真鍮線巻、右:銅線巻、布袋竹柄

荒神箒・小箒の製法は、大きなサイズの長柄箒や片手箒と基本的には同じですが、原料の棕櫚皮が異なります。皮荒神箒の原料は棕櫚皮のうち、当地域の職人の間で「スエマクリ(末マクリ)」とよんでいる皮で、幅・長さが短く肉厚で、繊維のキメが細かく色艶が美しい部位を厳選しています。