製作風景-【棕櫚箒】皮荒神箒1玉布袋竹柄
製作風景-【棕櫚箒】皮荒神箒1玉布袋竹柄

1月下旬に重量物が落下した右手人差し指は傷は治っているものの、爪が変形して痛みがありまだ本調子ではありません。予約品の製作予定を変更し、手の調子を見るために棕櫚皮製の荒神箒・小箒を作る事にしました。珍しい布袋竹(宮崎県産・栃木県産)が入荷していたので、それを使う事にしました。布袋竹に合わせて、いつものリネン色の麻糸と銅線、はじめて真鍮線も使います。

製作風景-【棕櫚箒】皮荒神箒1玉布袋竹柄
製作風景-【棕櫚箒】皮荒神箒1玉布袋竹柄

布袋竹は釣り竿(和竿)の持ち手・グリップなどに使われる竹なので、棕櫚箒の柄に使っても持ちやすくて掃きよいのではないか、一度使ってみたいと思い仕入れていました。

製作風景-【棕櫚箒】皮荒神箒3玉共柄
製作風景-【棕櫚箒】皮荒神箒3玉共柄

竹柄を付けない共柄(ともえ)型の棕櫚皮荒神箒を真鍮線巻で製作。

製作風景-【棕櫚箒】皮荒神箒3玉共柄
製作風景-【棕櫚箒】皮荒神箒3玉共柄

昨年、和歌山県南部の白浜町を訪れた際、昭和の棕櫚皮長柄箒を偶然拝見する機会に恵まれました。その長柄箒は真鍮線巻でした。これまで金属線巻の意匠では、銅線巻や鉄線巻、銅色や赤色等の被膜加工した鉄線巻は見たことがありましたが、真鍮線巻は初めて見ました。その箒は棕櫚皮がたっぷり使われており丁寧な作りでしたから、特別な高級品という物ではないけれど、当時の誠実な職人さんの手による上質な棕櫚箒だと感じました。私も真鍮の色や質感が好きで、その箒のお陰で棕櫚色にも合うと分かりましたので、自分でも真鍮線巻の棕櫚箒を製作してみたいと思っていました。

仕上げ乾燥後-【棕櫚箒】皮荒神箒1玉布袋竹柄
仕上げ乾燥後-【棕櫚箒】皮荒神箒1玉布袋竹柄