【棕櫚箒】棕櫚皮9玉長柄箒・特選作り。パーツとなる棕櫚皮の玉(束)を棕櫚箒の形に組み立てる「箒を合わせる」工程。意匠は蝋引き麻糸巻き。
江戸時代の棕櫚箒は糸巻きだったといわれています。これまでに浮世絵や文献の棕櫚箒を調べた範囲では、江戸時代当時の糸色など詳細は不明です。師匠からは「明治か大正以降に鉄の針金でも縛るようになり、ここらあたりでは昭和中頃に銅線巻の棕櫚箒も作るようになった。糸巻きも銅線巻と並行して製作しており、職人によっては白糸で巻いていた人もいた」と聞いていますが、先日、京都三条内藤商店さんで見せていただいた明治頃の作といわれる9玉の棕櫚鬼毛箒は銅線巻のようでしたから、京都では明治時代頃には銅線巻の棕櫚箒も製作されていたのかもしれません。