本鬼毛箒の仕上げ工程のひとつ、「熊手(くまで)をかける」工程。右手に持っているのが「熊手」で、この地域で昔から棕櫚専用の道具として使われている物です。これは10年程前に町内の野鍛冶屋さんに作っていただきました。穂先を水で濡らし、熊手を使って抜け毛や毛の絡まりを取り除きながら、毛流れを整えます。
出てきた抜け毛や短い繊維を取り除きます。
続いて「箒を磨く」工程。本鬼毛で作った仕上げ用小箒(仕上ブラシ)で梳かしながら伸ばし磨いていきます。本鬼毛製のブラシで磨くことで棕櫚繊維の枝毛や棕櫚粉などが取れ、繊維がより真っ直ぐに整い色艶が増していきます。
穂先を切り揃え、火で炙って毛羽を焼き切り、自然乾燥させます。
ちなみに画像4枚目の後ろにチラリと写り込んでいる浮世絵は、江戸時代に喜多川歌麿が描いた「酩酊の七変人」の1枚(コピーしたもの)です。棕櫚箒が描かれた絵の中でも特にお気に入りの、楽しい1枚です。他にも江戸時代の棕櫚箒の絵はこちらのページからもご覧いただけます。