製作風景-棕櫚の書道筆・ほこり払い
製作風景-棕櫚の書道筆・ほこり払い

棕櫚繊維で作った書道筆・大筆を2本作りました。棕櫚製の筆は個性的で面白い線が引けるそうです。
今回の書道用の筆の原料は、鬼毛箒の原料と同じ棕櫚繊維(タイシ)の、繊維が最も細く柔らかい部位だけを使って作りました。棕櫚繊維の太さや質や縛り方で、筆の質感が変わります。
画像1枚目は自然乾燥するところで、まだ濡れているので筆の形がよく分かります。

製作風景-棕櫚の書道筆・ほこり払い
製作風景-棕櫚の書道筆・ほこり払い

もう1本作った棕櫚の大筆です。1枚目画像の大筆より一回り小振りです。濡らして筆先の具合を確認します。

製作風景-棕櫚の書道筆・ほこり払い
製作風景-棕櫚の書道筆・ほこり払い

画像2枚目の大筆が乾燥した状態です。細く柔らかい棕櫚繊維だけを使っているので、いつも作っている棕櫚箒と触り比べると、感触・硬さ・コシがまったく違います。肌に当てると、化粧筆の感触に近い、と思うくらいの柔らかさです。
同じ筆の形でこれくらいのサイズか、もう少し小振りなものは「ほこり払い」としても使います。先が細くなった筆型で質感が柔らかく「棕櫚のはたき」よりも短いので、障子など建具の細かい部分や仏壇・神棚などの埃を払うのに、傷を付けず使いやすいです。

製作風景-棕櫚の書道筆・ほこり払い
製作風景-棕櫚の書道筆・ほこり払い
製作風景-棕櫚の書道筆・ほこり払い
製作風景-棕櫚の書道筆・ほこり払い

棕櫚の書道筆の製作途中。自作の櫛を使って余分な棕櫚繊維をどんどん取り除いていきます。

製作風景-棕櫚の書道筆・ほこり払い
製作風景-棕櫚の書道筆・ほこり払い

このようにして、棕櫚の書道筆の原料になる、先細の細く柔らかい棕櫚繊維だけを集めていきます。
棕櫚の筆は、棕櫚箒に比べると製作機会が少ないので写真をたくさん撮ってしまいました。