製作風景-【棕櫚箒】皮5玉手箒・特選
製作風景-【棕櫚箒】皮5玉手箒・特選

棕櫚皮の手箒=片手箒の玉(束)作り。5玉のうち一番大きい玉(片手で掃く時に、体から一番遠い大きい玉)を「頭(アタマ)」、逆側の一番手前の玉は「押さえ(オサエ)」とよばれています。どちらも片手箒の構造上、特に重要な玉なので、他の玉よりも使う棕櫚皮の枚数を多く、厚みと密度をもたせて作ることにこだわっています。
各玉の厚さや密度を微調整して1本の棕櫚箒を作るのはどうしてかといいますと、掃きやすさや掃き心地の良さの為と、長年繰り返し使われる棕櫚箒の強度や耐久性を高める為の工夫の意味もあります。棕櫚箒を構成する玉のうち、特に負荷がかかり摩耗しやすい玉を厚く丈夫に作ることで、より丈夫で長く使えるように、また掃きやすいバランスを保ったまま全体がすり減っていくように、と、先人達が試行錯誤して作り上げたのが、今作っている棕櫚箒の型になっています。