棕櫚皮を整える
棕櫚皮を整える

棕櫚皮箒の玉(束)作り。棕櫚皮の繊維と繊維の間にある茶色の粉状の組織(「棕櫚粉」とよんでいる)が表面にたくさん付着している皮の場合、そのままでは作業を進めるのが難しいので、皮表面を手でこすって粉をザッと落としていきます。
手でこすると写真のように粉がよれて塊になって取れていきます。たくさんの粉の下にはツヤツヤの美しい皮が隠れていることがよくあるので、もしかすると粉が多く付いているのは若くて新鮮・元気な棕櫚皮だったのかもしれない、とも想像しています。
もし棕櫚粉が多く付着したままだと傷や虫食い穴の有無が分かりませんし、麻糸や銅線で縛る時に邪魔になります。
棕櫚皮表面の粉の取り方は職人により様々だったようで、師匠も色んな方法を試したそうです。その結果、何か道具を使ったり水洗いするよりも、原始的な「手でこする」方法が早くてじゅうぶん綺麗になるそうで、私もそれにならっています。