製作風景-【棕櫚箒】キセル型束子
製作風景-【棕櫚箒】キセル型束子

【棕櫚箒】キセル型束子(キセルタワシ)/黒竹柄/銅線巻を作りました。普通、棒束子は柄に対して真っ直ぐに棕櫚束を付けますが、キセル型はその名の通り煙管(キセル=煙草を吸うパイプ)に似た形状になるよう、穂先を曲げ角度を付けて縛ります。

製作風景-【棕櫚箒】キセル型束子
製作風景-【棕櫚箒】キセル型束子

曲がった形のブラシでないと掃除できない場合にとても便利です。

製作風景-【棕櫚箒】キセル型束子
製作風景-【棕櫚箒】キセル型束子

包丁で余分な棕櫚繊維を切断します。画像のように、棕櫚繊維の玉(束)2本を一つに束ねたものに、黒竹柄を差し込んで作ります。穂先の角度を付けるにはちょっとしたコツが必要です。
本鬼毛箒などと比べると特別難易度の高い棕櫚箒というわけではないのですが、今回製作してみて改めて、シンプルながらもよく考えられた製法と構造だと再認識しました。いつの時代か分かりませんが、これを最初に考えた職人さんはすごい人です。いつも一か所縛るたびに「あ~なるほど、そういう意味でここを縛るんですね」と納得しながら手を動かしていくと、いつの間にか1本出来上がっている、という具合で製作がどんどん進んでいきます。

製作風景-【棕櫚箒】キセル型束子
製作風景-【棕櫚箒】キセル型束子

キセルタワシは昔からトイレブラシとしてよく使われていて、かつてはトイレのすみの見える所に立てかけたり、吊るして置いてありました。他にも農作業後に長靴を履いたまま自分で長靴の泥を洗い落とすのに使ったり、鴨居の上など高い場所の掃除にも使われます。