釘や鋲を使わずに糸綴じで仕上げる皮荒神箒。以前、お客様から「小さな子どもがいて、大人が掃いているとすぐに真似をして棕櫚箒を使いたがるんです」という話を聞き、小さい子どもが掃いても危なくないように、万が一にも抜け落ちる可能性のある釘や鋲を使わないで丈夫な棕櫚箒が作れないかと思い、作り始めた小箒です。資料館などの古い棕櫚箒や江戸時代の絵に描かれている棕櫚箒など、糸だけで仕上げたと思われる棕櫚箒や、釘や鋲を使わないで仕上げてある棕櫚箒や、師匠から伝え聞いた昔の棕櫚箒の製法を参考にしました。
小箒の形が出来たら、熊手を使って穂先の棕櫚繊維をほぐして鋏で切りそろえ、仕上げ乾燥の工程に移ります。