引き続き皮7玉長柄箒を天日干しにて自然乾燥。逆さに立てた状態で芯までほぼ乾燥させたら、今度は吊るして乾かします。逆さに干して広がってしまっていた穂先が、しばらく吊るすと落ち着いてまとまってきます。
他には、また思うような棕櫚皮が不足したため、先日、原料倉庫から新たに運んできた棕櫚皮を選別。良質な棕櫚皮がないと箒作りが滞ってしまい、しかも選別してもなかなか良い皮が見つからない場合は時間ばかりが経過して、表に使えない難のある棕櫚皮だけが山積みになり、気持ちはどんどん焦りながらも良質な皮探しを諦めることができません。「これは」という棕櫚皮が揃った時には製作がぐんぐん進むのですが。近年は良質な棕櫚皮が本当に少なくなってしまいました。
皮箒は、パーツとなる玉(束)のどれか一つでもおかしな棕櫚皮を使って作ってしまうと、師匠は「箒が死ぬ」とか「箒が死んでしまう」と言って非常に嫌いました。棕櫚皮の選別作業が難航して気持ちが焦ってくると、師匠の「このたった1枚の棕櫚皮を妥協したせいで箒が死んだ。この箒は気に入らん。あかん。」という声が生々しく頭に響いてきて、はっとして背筋が伸びます。
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- 皮手箒(片手箒)を合わせる