棕櫚皮7玉長柄箒の玉(束)を作ります。
棕櫚皮は1枚ごとそれぞれに個性があり、色や質感・厚みなどが異なります。母体となった棕櫚木の性質や、育った場所や環境の違いが個性になるそうです。別の木から剥かれた棕櫚皮でも、1本の箒に組み合わせた時には自然な佇まいになるように、なおかつ掃き心地の良い箒になるように、皮の組み合わせや重ね方を考えながら束ねていきます。
ちなみに、つい「母体」と書きましたが、棕櫚木は雌雄異株です。弟子として働いていた頃、時々遊びに来ていた師匠の友人のおいやん(おじさん)達から「雄の木と雌の木では、採れる棕櫚皮の性質が少し違うんよ」とか「いやいや、そんな話もあるけど、比べたらそうでもなかったよ。違いは分からんよ。」などと聞いたことがあるのですが、私は勉強不足のため剥かれた皮の状態では雌雄の見分けがつきません。師匠からも棕櫚皮の雌雄に関する話は聞いたことがありませんし、特に区別や意識をしている様子もなかったので、棕櫚箒作りに関してはおそらく昔から棕櫚皮の雌雄は関係なく、一まとめに取り扱われ加工されていたのではないかと思います。
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- 皮7玉長柄箒の玉作りと皮の選別