先日の続きの、棕櫚鬼毛箒(他社製)の修理・修繕をします。先日は鬼毛箒を分解し棕櫚の玉(束)にバラすところまでしました。
各玉の芯には棕櫚繊維ではない素材が使われていましたので、これを取り除き棕櫚繊維に差し替えてから縛り直します。玉の内側に見える明るい茶色の繊維がそれで、これは棕櫚とは色・質・耐久性などの異なるパームヤシの繊維です。
今回はご依頼主の要望で黒糸を銅線に変えて縛り直します。元々の玉とサイズが変わらないよう微調整し、比較しながら修理を進めます。
玉をすべて縛り直し、ヒビの入っていた柄竹(焼き竹)から黒竹に差し替えて箒を合わせます。この後、穂先繊維の洗浄など仕上げ工程をして修理完了です。
上の画像は修理を終え、仕上げ乾燥中の鬼毛箒です。
今後長く使い続けても緩みにくく長持ちするように、元々使われていたよりも多く竹のクサビを入れ、銅線を硬く締めました。
今回は黒糸を銅線に、焼き竹柄を黒竹柄に変更したので、元々の鬼毛箒とはまったく別の意匠の鬼毛箒に再生となりました。下の画像が修理前の元々の鬼毛箒です。