製作風景-【棕櫚箒】皮5玉手箒・上
製作風景-【棕櫚箒】皮5玉手箒・上

【棕櫚箒】棕櫚皮5玉手箒・上(じょう)の製作。意匠は銅線巻、持ち手は黒竹。複数回選別し吟味した上質な棕櫚皮のよいところだけを切り揃え複数枚重ね束ねて箒を作ります。

製作風景-【棕櫚箒】皮5玉手箒・上
製作風景-【棕櫚箒】皮5玉手箒・上

バラバラにこしらえた複数の棕櫚束を棕櫚箒の形に組み上げたこの段階では、まだ穂先は棕櫚皮の束が切りっぱなしの状態で、柔らかい繊維状にはほぐれていません。この後、箒穂先になる部分を濡らし、鉄製の熊手などでほぐして自然乾燥。

製作風景-【棕櫚箒】皮5玉手箒・上
製作風景-【棕櫚箒】皮5玉手箒・上

上画像は後日、自然乾燥後に撮影したもの。箒の穂先断面、掃く時に床に接するところです。これは棕櫚皮手箒の品質「上」なので、品質「特上」箒と比較すると棕櫚皮の使用量・密度はそれほどでもありませんが、それでも穂先にはこのように充分な厚みがあり掃きやすいと思います。

この品質「上」手箒は、元々は私の師匠が学校掃除用に考案したものです。子どもが使うので丈夫・軽量・掃きやすい、さらに低価格を実現するために試行錯誤して出来上がった構造・製法になっています。その後、学校用でなく家庭用の手箒として求められるようになり、品質面で少しずつ改良を重ねてきました。師匠の代からのロングセラーで、おすすめの1本です。