棕櫚箒-洗濯用のやわらかい棒束子[キリワラ]足袋洗い

ここ数日は、棕櫚棒束子（キリワラ=切藁）の中でも、洗濯用に使われるやわらかい棕櫚ブラシ・たわし「足袋洗い（たびあらい）」の製作をしてきました。先月、数個製作していたものの続きです。昔から足袋（たび）を洗う洗濯用ブラシとして使われてきたもので、現代ではシャツのエリ・ソデや、スニーカーなど運動靴を洗うブラシとしても使われています。

繰り返し洗っても足袋や生地をより傷めにくいよう、原料は細く柔らかい棕櫚繊維を使います。本鬼毛箒の原料になる太くて硬い本鬼毛・タチケを抜き取った後の「二番毛」とよばれる柔らかい棕櫚繊維から、気になる硬く太めの棕櫚繊維を1本ずつ取り除いたものを束ねていきます。

私は今のところ受注製作の直売のみで、業者様向けの卸売はしていないため、こんなにまとまった数を一度に製作するのは珍しいです。師匠は主に業者様向けの卸売り製作をしていた為、弟子として修業していた頃は私も一種類につき数十・数百本の棕櫚箒を度々製作してきました。これらは地元・和歌山県の神社関係の女性たちからまとめてご依頼いただいたものです。これから水洗い・自然乾燥を数回おこない、毛先を整えて仕上げていきます。