製作風景-黒竹選別/竹喰い虫の穴

以前ご報告した柄竹の交換修理で、こちらで竹喰い虫とよんでいる、竹の内側の白い部分を食べてしまう虫によって箒の柄竹が折れたり割れたりする事例(修理2例:2018.10.122019.1.5)。
今日は黒竹の選別作業中に、竹喰い虫が付いたと思われる穴が見つかりましたので、参考になればと思い写真を撮りました。まだ数少ないですが、近年、虫食い被害が増えているような印象がありますので、ご注意いただければと思います。

時々、箒をチェックしていただき、もし竹にこの画像のような穴があいていたら、虫が付いている可能性があります。
竹にこんな直径1~2mmほどの小さな穴があったり、吊るした箒やその周囲になぜか白い粉が付着していたり、ぶつけた覚えがないのに竹の一部が欠けたようになっていれば虫食いを疑ってください。
食害が進む前の早い段階で気付き、熱湯をかける等して駆除できれば竹が折れずに済み、交換修理の必要はありません。

当店で使用している黒竹は黒竹屋さんから出荷される前に高温の火で炙る熱処理を受けており、私も箒の製作時・仕上げ時に黒竹に異常がないかチェックしています。それでも見逃してしまう事があるし、薬品処理されていない安全な黒竹ですので、私の工房内や、お客様の所で数年経つうちに虫が入ってしまうこともあります。