製作風景-【準備】鬼毛の毛ごしらえ
製作風景-【準備】鬼毛の毛ごしらえ

今日は晴天に恵まれ空気も乾燥していましたので、棕櫚繊維(タイシ)の下準備「毛ごしらえ」をしました。これから始まる梅雨時期は棕櫚繊維が乾きにくくなりますので、梅雨前に多めに毛ごしらえをして備えをしておきたかったのです。

棕櫚繊維(タイシ)は棕櫚皮を濡らし機械でほぐして長い繊維だけを取り出したもので、鬼毛箒(タイシ箒)の原料に、また棕櫚繊維の中から本物の鬼毛だけを選別して抜き集めれば本鬼毛箒の原料になります。

棕櫚繊維(タイシ)は昔から、原料皮の産地であらかじめ棕櫚皮をほぐし棕櫚繊維にした状態で出荷されますので、私たち箒職人が棕櫚皮を機械にかけて棕櫚繊維に加工しているわけではありません(こちらで棕櫚皮から棕櫚繊維にすることも出来るのですが、昔からそうなっているようです)。
入荷したままの棕櫚繊維は、梱包時の縛り癖が付き棕櫚粉など汚れも不着しているため、そのままでは棕櫚箒作りに使えません。水に浸け汚れを落とすとともに、毛捌き機(けさばきき)のローラーに通してまっすぐに伸ばし整え、裁断し自然乾燥させます。