製作風景-本鬼毛長柄箒
製作風景-本鬼毛長柄箒

引き続き本鬼毛・タチケの選別をしながら本鬼毛9玉長柄箒作り。玉に「足巻き(あしまき)」をします。
足巻きに注目して棕櫚箒を見たことのある方は少ないかもしれないのですが、足巻きは箒の構造上「要(かなめ)」といえる部分で、棕櫚箒が何年も長持ちする秘密はここにあると考えています。
足巻きの精度が高く、足巻きと持ち手の柄の接合部がきちっと決まっている棕櫚箒は頑丈で、長年使い続けても緩みにくく長持ちします。

製作風景-本鬼毛長柄箒
製作風景-本鬼毛長柄箒

足巻きは昔から職人の腕の見せ所と言われており、通(つう)・目利きの方々は必ずここの出来の良し悪しを見ます。
もし持ち手の柄との接合部と各玉の足巻きが何cmも離れていると足巻きをした意味がほとんどなくなり、柔らかい棕櫚繊維で箒の構造を支えることになるため、使ううちに緩んで箒全体にズレが生じる原因になります。
足巻きと柄の接合部は箒の完成時に目立つ部分でもあり、それ以上に構造の強度に関わるため棕櫚箒作りの工程の中で最も神経を使う所です。