製作風景-【準備】鬼毛の毛ごしらえ
製作風景-【準備】鬼毛の毛ごしらえ

今日は十日戎(とおかえびす)なので町内の神社で福笹(吉兆/きっきょう)をいただきました。
弟子の頃に毎年師匠とお参りした思い出がよみがえり1月10日は初心に返ります。

その後、本鬼毛の選別作業と毛ごしらえ。
仕入れたままの未選別の棕櫚繊維は、曲がっていたり縛り癖がついていてそのままでは使えません。水で濡らして写真の機械に通して真っ直ぐに伸ばし、断裁、自然乾燥します。棕櫚箒作りの工程のうち機械化(という程でもないアナログ的機械なのですが)されているのはこの工程と、持ち手の柄(え)に電動ドリルで穴をあける工程くらいです。

機械のない時代は手作業で繊維を伸ばしていたそうで、そのやり方も習いましたが、力のいる大変な作業です。この機械の正式名称は分からないのですが「毛捌き機(けさばきき)」とよんでいました。棕櫚製縄業でも同じ機械を使います。

かつて町内の鉄工所で製造された機械ですが、今はもう作られていないので弟子の頃に何年も中古を探して入手したものです。箒職人も減りましたが、棕櫚箒作りに必要な道具を作ってくれる町内の鍛冶屋さんや職人さんもほとんどいなくなってしまいました。